傷物語 -鉄血篇- 雑感

作品のネタバレがあります。
事故防止に最初の方は公開情報を元にした雑談です。
1/30追記:5回目を観て、考察記事を書きました。

8日に公開され、本日2周目を迎えました。私は都合3度映画館へ足を運びました。
ご存知の通り、上映期間中は来場特典として描きおろし小説『混物語』が貰え、週ごとに物は入れ替わります。(配布数は少ない模様)公式サイトによれば「これまでに書き上げた小説のキャラクターたちがコラボレーション」とのことで、重度な西尾維新ファンの多くはなんとしても行かざるをえないわけですね。

1週目に手に入れた小説『混物語 第忘話 きょうこバランス』の目次を見ると配布される小説は全部で15あり、それらは紙面では4・4・4・3と区分けされていました。4・4・4とあるのは鉄血篇・熱血編・冷血編の上映時に週別に配られるもので、残りの3つは円盤として発売されたときに同梱されるものと見てよいでしょう。貰った小説には次週以降のコラボする相手が分かるという小憎らしい仕様。次のも欲しいな…また観に来ようと思うよう煽る煽る。

つまり重度の西尾維新ファンはこの小説すべてを集めるのに同じ映画を4回観て、それを3度繰り返すことになるわけです。次のお話である熱血編は夏頃公開と発表されていますが、冷血編については年内なのかは明らかになっていません。ただまぁ2012年の劇場版告知からさんざ待たされたのです。今さら公開が1年先になろうが待つことなぞ造作もない。訓練された西尾維新ファンを舐めるなよ。

閑話休題

 

鉄血篇は54分という短い尺ながら、半ば事故を伴った形での羽川翼との邂逅、瀕死状態であったキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの救命、阿良々木暦の吸血鬼化および人間に戻るための画策、吸血鬼ハンター達の暦襲撃と彼らを退かせると共に交渉人を買って出た忍野メメ登場 という構成でした。小説『傷物語』では約360ページある中での100ページあたりまで。正直1時間半くらいに思えるほどに濃く見応えのある内容でした。後述しますが、結構原作の地の文やセリフ、シーンを削ったり改変したり無かったシーンを追加するなどしています。なお改変の量は半端なかった。

本編が終了し、スタッフロールが流れたあとの熱血編予告は音声のみで3人の吸血鬼ハンター達とバトル前にしていた会話が流れました。夏の公開時にはさぞや迫力のあるものが観られることでしょう。一緒に鑑賞した知人と感想を話り合う中、その熱血編はどこで終わるのか、どこで物語の区切りを付けるのかが話題に上りました。自分は完全復活したキスショットにギロチンカッターが喰われてるところを暦が目撃したシーンを挙げました。というかそれ以外に思いつかなかった。ただそうすると冷血編に使う原作「傷物語」の尺がだいぶ厳しいことになるのではという懸念もありました。……これを解決する方法が1つだけあります。

 

 

 

 

 

 

mmr
……すまんかった、これがどうしてもやりたかった。冗談はさておき、どうなるのか楽しみですね。

 

さてここからが突っ込んだ内容の感想となります。いわゆるネタバレ。自己責任で見てくだしあ
気になったところ良いところ悪いところ、映画の進みに沿う形で書いていこうと思います。

・冒頭

開始冒頭、春休みの期間である3/26―4/7が表示されます。そして暦が廃墟(この時点では塾と明かされない)を一人で練り歩くシーン。屋上へ出ようとする際、扉から漏れ入る太陽光で瞳がダメージを受けたような描写があります。ただ吸血鬼の超再生で大事には至らず、暦は単に眩しかったと思ったんでしょうか。3週目4週目に行った時によく観察しようと思います。尖っている歯をアップで見せたり、太陽に焼かれる描写、中々死なない=不死 と吸血鬼らしい特性や記号を見せていますが、この時点ではそれが言葉にされていないため、本当に分からない人からすると分からないでのはと思いました。この時点では28日。

小説では恒例の、1章冒頭で始まる暦の独白は丸々カットされていました。どうしても必要という訳でもないし、そもどう差し込むのかと考えるとしょうがない措置だったのかも。というより映画という形を取ったためか物語シリーズとは独立した、パラレルワールドとも思えるような作りでした。学校も有り触れた外観へチェンジ。少なくとも戦場ヶ原が落っこちた階段はなさそう。

・直江津高校前

時は遡り、3/25終業式後の学校前。暦が学校付近をうろついていた理由の説明は特にありませんでした。そして校門前の信号で羽川と遭遇します。このシーン、原作では羽川は校門前に居るとされているのですが、映画では暦が歩いてきたのと反対方向から歩いてきます。羽川さんはそっちの方で何をしていたの…。原作を見返していて思ったのですが羽川さんはなぜ鞄を持っていないのでしょう……暦ですら持っているというのに。

そして、おパンツ様の降臨。暦の類まれなる観察眼を活かした詳細描写はありませんでした。パンツから広がるお話やセリフもさっくりカットされ原作冒頭のコミカル成分がだいぶ抜かれてしまっていました。どうも風景を映しつつ、セリフを流すオサレ描写が全体を通して過剰だったように思います。そんなもんは要らないから原作の良い所(会話劇)をもっと出してくれ……
原作になかった要素として何故かおパンツ様が顕現した際、おムネ様も注視され、バルンバルンと見事に揺れていました。たわわと言った擬音表現など生ぬるい。足早に逃げる暦を追っかけるときもバルンバルン。あと乳袋。ノーブラだったのかしら。んでどうでもいいかもですが、暦は徒歩通学していることになっていました。自転車ですら30分かかるんじゃなかったっけ?

・阿良々木家

帰宅後。阿良々木家が知っているものと様変わり。もはや別の家です。誕生日祝いにおこづかいをくれたおじいちゃんの家かな?ってくらい。そして昼間見た羽川のアレコレを反芻。そして買い物へ。特に説明がなかったので、見ようによっては原作にあった記憶の上書きというよりは連想から性欲を持て余したがゆえの行動とも見えなく。ここは補足が欲しかったですね。OPのキャストで分かるように4人しかいないので暦以外、阿良々木家には誰もいませんでした。22時で電気も付いてるのにこれはさすがに不自然。

・買い物

次項のキスショット遭遇を含めオリジナル要素の多い場面でした。自転車通学の設定を潰すためにこれがあったのか、猪突猛進となった暦が本屋目掛けて駆け抜けたり、買い物を終え帰路に着く途中で血溜まりを発見し、血が続く地下鉄に入ったりと。キスショットのところにたどり着く迄に結構な距離が描かれているのですが、これは暦が非日常に足を踏み入れかけていることによる恐れで歩みが遅くなっている心理描写によるものなのかな。道中派手に血が壁や床に飛び散っているところではてっきり戦闘があったのかなと思ったのですが、その割には周囲は破壊は見られず意図がよく分からない場面でした。襲った奴らはカタギは襲わないとしても周囲への配慮がなさそうですし。そして日常に帰れないことを示唆する一方通行のエスカレーターへ。

・キスショット遭遇

手足をもがれた満身創痍のキスショットは絵になるとこうも悲惨で悲壮に視えるのかと1回目観た時に驚きました。パンフレットによれば一発撮りだったというキスショットの命乞いと懇願。見事でした。オリジナル演出なのか原作にあった

子供のように。
泣きじゃくり始めたのだ。

をヒントしたのか差し込まれた赤子の泣く声も見事な演出。命乞い自体はやや短めな印象を受けました。出来れば書かれているセリフを全部やって欲しかった。「死にたくないよぉ!」や「死ぬのやだ、死ぬのやだ、消えたくない、消えたくない!」なんかは好きだったんですよね。細かいですが、キスショットを発見時に暦がエロ本が入った袋を投げ捨てましたが、これも改変箇所ですね。残念ですが、『眼鏡の委員長特集』なる、強烈にお馬鹿な企画とそれにプッツンする羽川さんは見れなそうですね。話が逸れた。暦がキスショットに命を差し出すにあたって家族に対する未練というか申し訳無さを覚える描写をカットしたのは残念でした。また覚悟を決めた暦が血を絞り尽くせと己を差し出すのは良い。良い。だがなぜそこでキスショットの胸に頭を沈める……
途中涙が無色透明から血の色に変わり、また無色透明に変わるのですがこれはなにを意味しているのか……これも次回觀るときの課題で。

・吸血鬼化した暦

157365:35:**:**(**は刻々と変わるので非表記)という数字が数秒表示されます。これは左から時間、分、秒、秒/100の数値を現しているものと思われます。というか現わしています。次の場面で暦が起き上がるのである程度は察せますが、暦が生きている時間のカウントですね。蘇ったことでその時間が再び進み始めたという。157365は時間なのでこれを24で割って1日辺あたりにして、365で割って年数あたりにすると17.96という数字となり、目覚めた時の暦の年齢がおおよそ求められるわけです。厳密にはうるう年も考慮しなければいけませんが、不足分の4日を考慮しても数字は0.01変わる程度なので無視してよいでしょう。
起きた直後に隣に居る謎の幼女に戸惑いを受けますが、やることは腹を(胸部も)撫で回すという……この変態野郎。やることが変わってない。いや昔からこうだったのか。
そして冒頭の暦が太陽に焼かれるシーンへと飛びます。と言ってもさんざ苦しむ下りは冒頭にやっていたので、すぐにキスショットが助けに飛んで来ますけど。……飛んで来る? 飛んで来るんです。手足は形だけでスカスカというわりに結構身体能力高いので何が何だか。あと暦が舐るような視線を向けると、キスショットが紅潮してたのはオリジナル要素でしたね。

・パーツ奪還

書いてて思い返すとパーツという表現を徹底的に避けていたように思います。というより記憶が確かなら使われていなかったような。放送用語的なアレですかね。話を戻すと、ここは結構改変ポイントがありました。まずは吸血鬼ハンターたちに襲われる場所。原作では住宅街の歩道の無い道とあるのでクルマが行き交うような道路と思いきや、工業地帯の歩道エリア。意図がまるっきり分からねぇ……。というか学習塾を出てすぐっぽいので結界出てすぐバレたってことですかね? また集まった吸血鬼ハンターたちの口から発せられるのは終始分からない言葉という体でした。自分を蚊帳の外に置いた状態で暦を退治する算段を付けられ、話し合う余地もない絶望感を描写する狙いがあったのでしょうか。原作ではドラマツルギーだけが最初不明な言葉を発しているのをギロチンカッターに言われ正していましたね。エピソードくんの超ウケルは次回までお預けということに。(猫物語白でさんざ聞いたけども)そして、忍野メメ。なんか強そだぞってシーンが30秒ほど設けられてました。謎だ。

・作戦会議

ここは改変はほぼなく、概ね原作どおり。ただ暦を人間扱いしたメメに対して驚く暦の内心は描写せず、表情だけで済ましたのはいただけない……!

 

と糞長い文章になりましたが、雑感想でした。

特典のためとはいえ4回も觀るのか…… と当初はやや企画に懐疑的でしたが、3回観た今でもここはどうなのだろう? と消化しきれない疑問が結構あってちょうど良いのかなのと思えてきました。ただし財布へのダメージは結構クル。

15ある小説で、掟上今日子、哀川潤、地濃鑿とのコラボが実現しています。1つ目、2つ目は順当だなーと思っていたところに地濃鑿、と変化球どころでなくデッドボール(死球)が来た感じです。ジャイアントインパクトだけに。彼女が来たあとでは誰が来てもきっと大丈夫でしょう。なんらかのルール縛りなのかもしれませんが、3回とも女性なので4週目の小説も女性かもしれませんね。

では4回目、5回目を観てなにか新発見があったら。

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